釧路 その7
実は、ボクが働いていた職場は釧路市ではなく、隣接する釧路町にあった。
ここは釧路市街地の郊外として、住宅が急増しているところで、大学など、教育施設もある。
商業的には郊外ロードサイドの集積地ということになる。
店の裏手も住宅地だったが、少し行くと行き止まりになって、
その先は釧路湿原が広がっていた。
釧路といえば釧路湿原が有名だが、開店準備に追われて、
観光ポイントとなる湿原の中心部へは残念ながら1度しか行っていない。
出かけたのは気球乗り場の近くまでだったが、雄大な景色にしばし息を呑んだ。
この湿原いったいどこまで続くのだろう。
雄大といえば現地人の距離感覚にも驚いたものだ。
開店日やその後の週末になると根室や網走から客が来る。
ともに釧路からは100km以上離れている。
いろんな地方都市に住んでいたが、本州の距離感覚とは明らかに違う。
そういえば、札幌の店に勤めていたときも、
店のパートが勤務終了後、よく友達の家に遊びに旭川まで出かけていたっけ。
*
出店準備にアタフタしている時期は作業が連日深夜に及ぶ。
そんなとき夜遅くに開いている店はこんな郊外にそうそうなく、
限られた数店を選んで夜食を食べに行った。
特に店の20代前半の若手社員に好評だった店が「ガッツ」。
とにかく安くて腹いっぱい定食を食べさせてくれる。
店の者に連れられて初めて行ったとき、
オムライスを注文して、あまりの大きさに喘ぎながら食べたものだ。
また、昼食ではその近くのラーメン店へも何度か行った。
この店で豚丼というのを初めて口にした。
かの吉野家が牛丼販売自粛の期間中、豚丼を売り出して、
一躍その名は広く知られるところとなったが、そもそも豚丼発祥の地は帯広らしい。
本場豚丼は吉野家のとは似ても似つかぬ、タレ付けの豚ロースがご飯を覆っている。
ボクが食べた釧路のラーメン店の豚丼は豚肉の上に、更に目玉焼きが乗っかっていた。
この店のラーメンも喜多方風の縮れ麺でおいしかったのを覚えている。
町名で言えば愛国西か東だと思うが、誰か店の名前をご存知の方は教えてください。
(終)
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